カレイドインキって?
Kaleidoとは東洋インキ株式会社が開発した、既存の4色印刷機でも6色、7色印刷に近い色再現を可能にした印刷システムです。Kaleidoの語源はKaleidoscope=万華鏡から由来しており、「広い色域をカバーする」という意味が込められています。このことから一般的には「高演色」などと呼ばれるところを、東洋インキでは「広演色」と表現しています。
通常、多色印刷ではインキの数だけ版枚数や版胴が必要になり、また色数を増やすことで品質管理が難しくなり、非常に高いコストがかかってしまいます。一方でKaleidoではCMYKの4色で印刷することにより、低コスト、低予算での広演色印刷が可能になります。また、Kaleidoインキの顔料は彩度が高く、全体的に色相の濁りを取り除いているために、視感濃度が低く感じられてしまうという特徴があります。それを解消するためには、高濃度で薄膜印刷が可能なFMスクリーンで印刷する必要があります。

従来インキでは実現できない色の再現
従来インキより、はるかに広い色再現域を持つ「TK NEX カレイド」インキは黄から赤の階調が豊かになるとともに今までの印刷では再現しにくかった濃いブルーの階調を格段に向上させています。
カレイドによる広演色印刷は、デザイナーのモニター上でのイメージに、限りなく近い最終印刷物を実現します。
これにより、企画担当やデザイナーは、クライアントの満足度を向上させることが可能となります。

既存4色機で広演色印刷を実現する画期的なプロセスインキ。
デジタルカメラやCG(コンピューターグラフィックス)などクリエイティブ制作環境がデジタルで完結する現在、モニターで見えている色と印刷物の色の違いが「色にこだわりを持つ」お客様にとって課題となっていました。
そのようなお客様の声にお応えするためアトミでは、「品質」と「コスト設計」のバランスに優れたKaleidoインキによる印刷を積極的に採用しています。
Kaleidoインキとは、東洋インキ株式会社が販売する「4Color広演色インキ」のことで、このインキを使用する事で従来、色を鮮やかにする為に6色・7色の印刷を行っていたところをプロセス4色で、鮮やかな色合いの印刷物を制作する事が可能になりました。さらに、アトミの技術研究により、RGB画像の透明感のあるきめ細かな色彩の表現に成功。しかも既存の4色印刷機で6色・7色印刷に近い色の表現を可能とし、従来のプロセス4色印刷では表現しきれなかったRGB画像の広い色再現領域を確保することができるようになりました。

色再現領域を確保することを実現しました。
印刷原稿がデジタルデータによる制作が主流の現在、RGBモニターの色表現領域を中心にデザインや写真が制作されています。しかしプロセス4色印刷を行った場合、RGB表現に比べて色表現領域が狭いため、思い通りの色再現ができませんでした。 kaleidoは、その悩みを解消できる色再現領域を確保することを実現しました。
下図は、色相/彩度と明度による2次および3次元表記の色度図を表したもので、「従来インキ」とは今までの標準的なインキ(JapanColor等)の色再現領域を示しています。
これに対し「kaleido」はモニター並みの広い再現領域を持っていることが判ります。

●ガモット図(Yxy平面・ab平面・3Dガモット図)

「RGBのイメージをそのままに」と「印刷に豊かな表現力を!」

1. 従来インキよりはるかに広い色再現域で黄から赤の階調が豊かになっています。
2. 強い赤の階調再現も向上しています。
3. マゼンタの発色が鮮やか、特に白からピンクの再現が綺麗になります。
4. 特に今まで印刷では再現しにくかった濃いブルーが、kaleidoでは階調も色再現も格段に向上しています。

kaleidoインキは、標準的なセットインキと比較して広域なカラーガモットを持っています。今まで色の再現が難しく、濁りを感じていた色あいが正常なモニターで見える色に近い仕上がりに改善されます。

従来のインキ:再現できない色の領域が多い(左図)kaleidoink:AdobeRGBの色領域の大半をカバー(右図)

カラーマネージメントの必要性
広演色印刷を実現するためには、印刷の標準化が必要です。そのためには、プリプレス・プレス分野でのCMSが不可欠です。CTP導入済みを必要条件として、ICCプロファイルによる色管理、製版カーブの調整、印刷機でのドットゲイン調整等が可能な環境を推奨いたします。
印刷上の注意
kaleidoは、東洋インキ株式会社レギュラー色相(Japan Color該当品)とは異なります。
インキ色相から濁りを取り除いているので、視感濃度は薄く感じられます。濃度計を使用し、徹底した濃度管理が必要です(黄、紅、藍の色相が高鮮明になっているため、通常のレギュラーインキより視感濃度が低くなっています)。
現在、使用中の4色印刷機で6色・7色印刷に近い色再現が可能
kaleidoは、色再現領域を広げることにより、使用中の4色印刷機で限りなく6色・7色印刷に近い効果を発揮することが可能になりました。
AdobeRGBイメージに近い最終印刷物を実現
kaleidoによる広演色印刷は、デザイナーのモニター上でのイメージに、限りなく近い最終印刷物を実現します。
これにより、企画担当やデザイナーは、クライアントの満足度を向上させることが可能となります。
kaleidoの特長
●黄・紅・藍の鮮明性(C値)向上
高鮮明性顔料を用いることにより、従来インキと比較して鮮明性を向上させています。<
●二次、三次色の発色性向上
C値の向上により、従来のプロセスインキでは実現できなかった色領域の再現が可能となっています。
●光沢の向上
高分散性樹脂の採用による顔料分散性の向上により、大幅な光沢の向上を図っています。
●環境対応
VOC(※)となる石油系溶剤を一切使わないことで、大気汚染物質の排出ゼロを実現しました。
※ VOC(volatie organic compounds)=揮発性有機化合物
※画像の著作権は、東洋インキ株式会社に帰属します。
※アトミは、Kaleido印刷認証を取得しています。