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NO.02 艶笑落語

実はオイラは学生時代に、落語研究会の会長をやるほど落語が好きだ。
最近の人は落語を聞く人が少ない、残念なことだ。もっとも、噺家に良い話し手がいないのも事実だ。昔はいたよ~、良い落語家がいっぱい。中でもオイラが好きなのが、文楽・志ん生・圓生の3人。
8代目桂文楽・5代目古今亭志ん生・6代目三遊亭圓生を戦後落語界の「三絶」という。彼等が高座にあがって、「え~」と言っただけでオイラなんか身震いが出るほど興奮した。
いまは、カセットテープやVTRでしかお目にかかれない。これからは、落語を中心とした笑いの話を少しずつ気まぐれに話していこっかな。

最初は何ってったって艶笑落語だろう。
落語の中に「艶笑落語」という分野がある。艶笑というのは、昭和に入ってからの言葉で、古くは「バレばなし」と呼ばれたものだ。いいかえれば、セクシー落語であり、ピンク落語であり、ポルノ落語でもある。品よく形容するなら好色落語、お色気落語、風流落語ということになる。もちろん、寄席とかTVではやれないものが多いので、「お座敷ばなし」として密かに語り継がれてきた。

艶笑落語の巧い語り手は、良家(あんたじゃないよ!)のお父さん・お母さん・娘さんが三人三様に笑え、一人にでもイヤらしいという感情を持たせないで、演じられたという。

江戸時代、噺家の職業化とともに始まったこの種の落語は、そのころ数多く出た「艶笑小咄集」の中からネタを拾い、多くの演者により演出が試みられ次第に洗練されて、単なる猥談の域をはるかに越え、ユニークな芸術分野に成長してきたのである。それが、明治、大正、昭和と続いて現在に至る。


■合図の太鼓(早打ち)

え~、あるお城の若殿がお嫁さんをおもらいになっすた。品行方正でな、まだ童貞なんです。
お嫁さんのほうも、ちゃんとした大名のお嬢さんですからな、こっちもなんにも知らない。
つまり処女ですな。

床ん中でな、どうやったらうまくいくか皆目見当がつかない。
そこで、若殿が三太夫にこっそりと聞いてみる。

三太夫「では、若殿、この爺めが、隣の座敷に控えておりまして、太鼓にてお合図いたしましょう」
若 殿「太鼓にて、いかがいたすのじゃ?」
三太夫「さよう、まず、お姫様の上におのりあそばしませ…」
若 殿「予が、上になるのじゃな?」
三太夫「御意!お道具を、お姫様の穴のところにお付けあそばしませ」
若 殿「予の抜き身を、姫の穴に当てるのじゃな?」
三太夫「そのとき、手前が太鼓を一つ叩きます。その一番を合図に、まず殿のお道具を、グッとお入れください」
若 殿「ウン、さし込むのじゃな」
三太夫「で、手前が二番を打ちますれば、こんどは、お抜き下さりませ」
若 殿「一番で入れ、二番で抜くのじゃな」
三太夫「三番でまた入れ、四番でまた抜く…。つまり太鼓の通りになさいませ」
若 殿「ウン、心得たぞ」
ド~ン、ド~ン、ドン……。

三太夫はな、忠義の心をバチにこめて、ゆっくりゆっくりと、合図の太鼓を打ち続ける。
そのうちに 若 殿「あア、これ、三太夫~」
三太夫「ハ、ハハ~......」
若 殿「早打ちにいたせっ!」



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